WEBデザイナーとして活躍している人も、
名刺やDMのデザインなどの、
紙媒体のデザインを頼まれることがあります。
紙媒体は、最終的に“印刷会社へ入稿できる形”
にしなくてはいけないことがほとんどです。
筆者は前職がグラフィックデザイナーだったため、
日々入稿作業に追われていました。
入稿データってどんなデータ?
入稿経験のないデザイナーさんのために
詳しくご説明します!
デザイン業界でいう、入稿データとは、
一般的にアウトラインがかかっていて、
使用されている画像などの素材が一式入っているか、
埋め込みされているデータのことです。
今回はIllustratorで作成された
入稿できるデータの作り方の一例をご紹介します。
まず単位はmm、カラーモードはYMCKに設定しておきましょう。
IllustratorでA4ポスターを入稿する場合、
アートボードはA4より大きいサイズで作成します。
A4サイズのオブジェクトを配置したら、
【オブジェクト】→【パスのオフセット】を選択します。
3mm指定してokします。
いま作成した3mmは”裁ち落とし”と言われる部分です。
一般的に印刷用データは、仕上がりのサイズ(=今回でいうとA4サイズ)よりも天地左右を約3mm大きく作ります。この3mmを断裁する(紙を切り落とす)ことを「裁ち落とし」と呼び、断裁される部分は「裁ち落とし」「塗り足し」などと呼ばれています。
A4サイズのオブジェクトのみコピーして(⌘+C)、
作成した裁ち落としの3mm大きいオブジェクトと、A4サイズのオブジェクト両者を選択して、
(⌘+5)でガイドにします。
先ほどコピーしたオブジェクトを同じ位置にペースト(⌘+Shift+V)します。
(ペーストしたオブジェクトの塗りと線のカラーは無くしておきましょう)
ペーストしたオブジェクトを選択し、
【オブジェクト】→【トリムマークを作成】を選択します。
いま作成したのが、いわゆる「トンボ」と呼ばれているものです。
裁ち落としを示したり、CMYK各版の位置合わせのために使う図のような線です。
作成したガイドとトリムマークはレイヤーを分けておくとわかりやすく便利です。
新しいレイヤーを追加して
デザインを作成していきます。
デザインが完成したら、
この時点で、隠れているオブジェクトや、
ロックがかかっているオブジェクトがないか確認します。
隠しているオブジェクトを表示(⌘+option+3)
ロック解除(⌘+option+2)
また、不要なポイントが入っていないか確認するために、
【選択】→【オブジェクト】→【余分なポイント】を選択します。
何も表示されなければOKです。
アウトラインモード(⌘+Y)で確認すると、
そういったオブジェクトがないか確認しやすいです。
問題がなければ、
文字のアウトラインを作成とアピアランスの分割を行います。
すべてのオブジェクトを選択(⌘+A)して、
【オブジェクト】→【アピアランスの分割】を選択します。
また線と塗りの分割・拡張も行います。
【オブジェクト】→【分割・拡張】
文字のアウトラインを作成します(⌘+Shift+O)
【書式】→【アウトライン作成】
アウトラインを作成したら別名で保存(一般的に元ファイル名_ol.aiと名付けることが多いです)します。
あとは入稿用フォルダ内に、作成したアウトラインをかけたデータと、
使用した素材(pngやjpgなど)を一式いれればOKです!
完成見本用のJPEGデータや、PDFデータなども作成して添えておくとベストです。
この時、文字化けを防ぐため、
データ名やフォルダ名をすべてアルファベットで表記しておきましょう。
印刷会社によってIllustratorのバージョンの指定などが異なるため、
確認してそのフォーマットに合わせましょう。
特色指定の印刷などは、また別の機会にご紹介しようと思います〜!
以上、入稿データの作り方でした。